SSブログ

臨時国会を終えて [■ブログ■]


特定秘密保護法案に揺れた第185回臨時国会が終わった。事務所には、全国から法案に反対するというFAXが連日届いた。マスコミもメディアや紙面を通じて反対を唱えた。法案の内容は稚拙で曖昧で内容が分かりにくく、特定秘密とそれを守る法案が必要だとは認めつつも、安倍政権がなぜこの法案の成立を急ぐのか私には理解できなかった。

法案の内容はさておき、自民党の独断専行に、今回ほど数の横暴の恐ろしさを感じた事はなかった。参議院では、中川・国家安全保障特別委員長が委員長職権を振りかざし、強引に採決まで持って行ったのはご存じのとおりである。

特定秘密保護法案が連日報道される陰で、私が委員長を務める消費者問題に関する特別委員会では、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続きの特例に関する法律案(以下、集団訴訟法案)が審議されたが、こちらも難産だった。

7~8年も前から審議に上がっては時間切れで廃案が繰り返されてきたこの法案。今回も、与党が特定秘密保護法案の審議を優先したため、両法案の担当である森雅子大臣の日程が取れず、また廃案になるだろうと言われていた。

日本のGDP(国内総生産)の6割にあたる約300兆円を個人消費(皆さんの毎日のお買い物など)が占めている。食品表示の偽装問題、美白化粧品被害、高齢者の詐欺被害、ネット消費の問題…日々の生活を送るなかで多様な問題が起きている。この集団訴訟法案は、一人当たりの被害額が小さかったり、一人で企業を相手に裁判を戦えず諦めたりで、泣き寝入りするしかなかった人々を救うものであり、国民の安全で安心な消費生活を守るために、私はこれ以上の先送りは許されないと思った。安部政権がアベノミクスを掲げ成長戦略のなかで消費拡大を謳うなら、この法案を疎かにするのはおかしい。

しかし実際は、秘密保護法案成立のために、与野党はこの法案を人質に取った。与党は森担当大臣の趣旨説明の日程を回さず、11月6日に委員会に付託されてからずっとたなざらしの状態が続いた。与野党の国会対策委員長(以下、国対)は秘密保護法案の駆け引き優先で、与党・自民党は速やかな成立のために、野党(特に民主党)は審議日程の確保のために、それぞれの理由で消費者特に森大臣を取られることを拒んだ。そんな状況のなかで、与野党筆頭理事がそれぞれの国対を懸命に説得してくださり、また野党各会派の理事も法案審議を進めるために積極的にご協力いただいたおかげで、二度の委員長職権で委員会を開き、集団訴訟法案は全員出席の全会一致で委員会を通過し、翌日12月4日の本会議にて全会一致で可決され、特定秘密保護法案の隙間を縫うように綱渡りで成立した。

大事なことほど広く深い議論が必要だ。今回の特定秘密保護法案は、あまりにもお粗末なうえに拙速であり、有事の際に国民の生命・財産を守る国民保護法との整合性の無さも含めて、到底受け入れられるレベルの法案ではなく、本会議で反対票を投じた。結果、二度目の造反で党にいる訳にはいかなくなり離党し、消費者特別委員長の席も辞退した。

四ヶ月程の短い委員長職だった。欲を言えば、食材偽装問題の集中審議を参議院でも開きたかったし、消費者庁の予算が間に合わせの補正予算や震災復興財源で回されており、当初予算で見られていないこともこの機会にきちんとしたかった。時間が足りなかった事が悔やまれるが、懸案の集団訴訟法が成立したから悔いはない。積み残した課題は今後の国会審議を通じて問題提起していこうと思う。

結いの党は15人の小さな所帯で船出した。ことわざに「枯れ木も山のにぎわい」と言う。これからは結いの党の副代表として、若い木々の間で、枯れ木の身にムチ打って頑張っていきたい。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。