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3/25本会議質問全文 [▲国会質疑▲]

3/25参議院本会議における質問の全文は以下の通りです。
(元原稿のため、本会議における発言とは若干の差異がございます)

 


 

 みんなの党の寺田典城でございます。

 私は、みんなの党を代表し、ただいま議題となりました「地方税法の一部を改正する法律案」、「地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」、及び「平成25年度地方財政計画」について質問いたします。

 安倍政権は、いわゆるアベノミクスの3本の矢、すなわち、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起(かんき)する成長戦略により、経済再生とデフレ脱却を実現するとしています。これに対する国民や市場の評価は高いようです。円安が進み、株価は上がり、内閣支持率も高い状況にあります。この好調に、安倍内閣はお花畑の中にいるように見えます。私は、アベノミクスは是非とも成功してもらいたいと願っています。しかし、もし失敗したらどうなるのか真剣に考えている人は、果たして総理を含め内閣の中にいらっしゃるのでしょうか?

 先に成立した24年度補正予算は、国の財政支出が10.2兆円、民間や地方による負担分も含めれば20.2兆円の事業規模となりました。これによって、GDPが2%押し上げられ、約60万人の雇用が創出されると政府は説明しています。

 確かに一時的に仕事は増えるでしょうし、経済は潤うでしょう。しかしそのほとんどは公共事業と一部の業界だけの話ではないでしょうか。私はむしろ、国際化対応できる教育や、海外とのやりとりができる民間の人材育成にも、思い切って予算をつけて欲しかった。歴代の自民党内閣の時、景気浮揚対策で財政出動をし、地方債、いわゆる景気対策債を発行させました。その結果、自治体には財政力以上の身に余るインフラと借金が残されました。そういう実態があることを新藤総務大臣はどう認識されているのかお聞かせください。

【問1・総務大臣】

 

 以前は、「消費は美徳」と言われ、大量に消費するのが当たり前の時代がありました。しかし今の消費者の意識は、少子高齢化が進み、将来への不安もあり、過剰に消費する社会から、シェアして、循環する社会への転換期を迎え、エコでスマートな消費に変化しています。以前のように、単純に景気が上がる時代ではないのです。

 民間企業は国際会計基準に照らし、持ちすぎた資産を減損処理します。パナソニック、ソニー、シャープ…みんなそうです。国もそのようなランニングコストを減らす「処分をするための予算」いわゆる「less is more予算」をつけるべきだと思います。

 かつて安倍総理は小泉内閣の官房長官として、また麻生財務大臣は同じく小泉内閣の総務大臣として、当時のドラスティックとも言える、地方交付税改革、プライマリーバランスの改善に取り組まれました。

 これにより、平成15年当時23.9兆円にまで膨れあがった地方交付税等総額は、平成19年には17.8兆円まで縮小しました。そして国と地方のプライマリーバランスも、対GDP比マイナス5.3%から、マイナス1.1%にまで改善されました。

 さて、その当時の総務大臣であられた麻生財務大臣にお聞きします。先月28日の安倍総理による施政方針演説でも、ご自身の財政演説でも、「財政健全化目標の実現を目指す」と重ねて述べておられました。目指すだけですか。これまでの政府試算では、仮に消費税10%への引き上げを行ったとしても、2020年までのプライマリーバランスの黒字化は達成できないとしています。では、どうすれば国際公約である財政健全化目標を『実現』できるのですか。その手法を具体的な数値もあわせてお示しください。

【問2・財務大臣】

 

 新藤総務大臣にもお伺いします。財政健全化目標であるプライマリーバランスの黒字化に向けて、地方側ができる努力は一体何ですか。考えうる手段を具体的にお示しください。

【問3・総務大臣】

 

 多くの方は、当時の小泉改革によって“地方は悲鳴を上げた”と批判しています。その時私は、秋田県知事としてまさに「現場」におりました。当時の経験から申し上げれば、「カネ」がないから「チエ」を出して乗り切るよう努力しました。プライマリーバランスが良くなり、財政再建ができて、将来に希望がもてるようになりました。だからこそ、平成の大合併も進みました。

 今の財政状況では、国も地方も、歳出を大胆に減らさなくてはなりません。要求団体と化している地方に良い顔をするやり方を続ければ、プライマリーバランスの黒字化など、とうてい達成は不可能であります。地方から批判を受けようとも、地方交付税や臨時財政対策債を含む地方財政の在り方にメスを入れざるを得ません。

 新藤総務大臣にお伺いします。地方一般財源総額を対前年度で実質同水準に維持するという『財政運営戦略・中期財政フレーム』上の方針がありますが、これを見直す意思がありますか。それとも今後も維持し続けるのですか。現時点でのお考えをご答弁ください。

【問4・総務大臣】

 

 国と地方の財政において、特にいびつな構造になっているのは、臨時財政対策債をはじめとする地方の借金です。よく報道では、「国の借金が1,000兆円、地方の借金が200兆円」という数字が取り上げられます。しかし、地方が実質的に負担する借金はその200兆円のうちの4割程度だけで、残りの6割は国が肩代わりをしているということは、あまり知られておりません。

 新藤総務大臣に伺います。この事実関係を確認させていただくとともに、その状況をご覧になって率直にどう思われますか。大臣ご自身のお考えをお答えください。

【問5・総務大臣】

 

 また、麻生財務大臣・新藤総務大臣双方にお伺いします。こういった事実も含めて、国の借金・地方の借金が果たしてどういう構造になっているのか、見せかけではない、ありのままの姿を広く国民にもディスクロージャーしていくべきだと思いますが、いかがですか。

【問6・財務大臣・総務大臣】

 

 源泉徴収制度により、給料から税金が天引きされる給与所得者が多い我が国では、国民の納税に関する意識が弱いと言われています。次世代を担う若者に、納税者として国・地方・政府の税金の使い道に関心を持たせ、税の意識を育てるために、義務教育時代からの税の教育が必要だと考えます。

 この点について、租税教育を行う現場としての文部科学省、その教育の中身を考えるべき国税庁、総務省それぞれに対して、どう考えているのかお聞きします。

【問7・文部科学大臣・財務大臣・総務大臣】

 

 安倍総理は先の衆議院選挙に際して、「日本を取り戻す」とおっしゃいました。120人ほどだった自民党は295人と大躍進し、逆に、約300人いた民主党は60人程度になり、政権交代を実現しました。

 政権交代を果たした自民党政権からは、もう少し踏み込んだ内容の法案が出てくるのではないかと期待をしておりました。しかし、この夏の参議院選挙までは安全運転のつもりなのでしょうか、今回の法案などを見る限り、新しい切り口の無い、無難な中身になっているのではないかと感じております。一体何を取り戻したかったのですか。

 多くの政治家は選挙で負けることを怖れています。しかし、政治生命というものは、負けたら終わりではなく、疑問を感じたら恐れずに行動し続けること。それができるうちは、政治生命は不滅だと考えます。しがらみにとらわれず、何ものにも臆せず行動する。それによって、落選した人も、各政党も役割を果たし続けるのです。

 

 安倍総理は「政治は結果だ」ともおっしゃいますが、18年間地方自治の現場を体験した身からすれば、政治はその時の結果だけでなく、国民の将来にまで責任があると思います。政治は、今を生きるより、将来のために行動すべきです。冒頭にも申し上げましたが、アベノミクスは成功してほしいと願っています。しかし、もし失敗したら、間違いなくこの国は財政的に破綻します。そうなったら安倍政権はどう責任を取るのですか? 麻生副総理にお聞きします。

【問8・副総理】

 

 最後に、
   ♪あした浜辺をさまよえば 昔のことぞ しのばるる…♪
 この歌は、秋田県出身の作曲家・成田為三が作った「浜辺の歌」であります。国が財政的に破綻して、浜辺をさまようようなことがないようにしてください。

 ご清聴ありがとうございました。

《本文終わり》

 

 


 

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Youtube「寺田典城(てらたすけしろ)」チャンネル


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