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広島に行ってきました [■ブログ■]

国会が休会の間に、公立病院・公的病院の視察等のために、広島を訪れた。

フェリーで徳島に入り、愛媛へ。海に囲まれて開けた土地と勝手にイメージしていた四国は、
海からすぐに山が立ち上がる険しい山間地という感じで、お遍路はこのような厳しい道を歩むのかと思った。大きな工場が立ち並ぶ瀬戸内工業地帯を走りながら、伝統ある瀬戸内の造船業も含め、こうした製造業が、国際的な競争社会のなかで、いつまで持ちこたえられるのか、
発展できるのかと心配な気持ちで眺めた。しまなみ海道を抜けて到着した広島は、120万近い人口を有する都市でありながら、道路や街並みがゆったりと配置されている印象を受けた。

長い間関心を持ちながら初めて訪れた広島平和記念資料館で説明を受け、これだけの都市を一瞬にして灰にした原子爆弾の凄まじさ、怖ろしさを、改めて思い知らされた。世界遺産の原爆ドームや平和記念公園内の様々なモニュメントには、広島の人々の平和を希求する祈りの深さを感じた。

病院の視察では、都市部の広島市民病院と、山間部の庄原市立西城市民病院、府中北市民病院から、それぞれ話を伺った。どちらもマンパワー確保の問題を抱えている。特に、高齢化率が40%を超える山間部の病院では、若い働き手がいないため、地元で人を集めるのが困難だ。この傾向は全国的に今後益々厳しくなるだろう。

今までは、ひとくくりに公立病院・公的病院と考えていたが、都市部の病院と過疎地域の病院では、求められる役割や抱える問題が全く違う。例えば、都市部では平均入院日数が12日であるのに対し、過疎地域では平均28日。「この病院が患者さんにとって最後の砦なんです。」と
仰った看護師長の言葉が胸に刺さった。それでも、生活圏の中にこうした病院があるのは幸せな方で、医療過疎が深刻な地域は全国に未だ多く、現状の全国一律の医療制度で維持していくには無理がある。

また今回話を伺って、医療と介護の連携に関しては、逆に過疎地域の方が、進んでいると感じた。人口が少なく、色々と制約は多いが、地域に暮らす人たちのつながりが強く、個々の情報を把握し、連携を取りやすく、きめ細かなケアができている。人のつながりが希薄な都市部でも、これからは高齢化が進む。それに対応できる都市づくり・サポート体制づくりを、過疎地を参考にしながら、すぐにでも始めなければならないと思った。

旅はいつも新しい経験と知恵を与えてくれる。



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