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▲12/7 本会議質問全文▲ [▲国会質疑▲]

 12/7 参議院本会議における質問の全文は以下の通りです。
 (元原稿のため、本会議中の発言とは若干の差異がございます)

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《ここから本文》

 いま日本は、震災からの復旧・復興と原発事故の収束に加えて、税と社会保障、消費税、公務員改革、地方分権、議員定数削減も含めた選挙制度改革、TPPといった、避けて通ることのできない国家的な政治課題が山積しております。
 財政に目を向ければ、平成21年度の国と地方を合わせた税収は80兆円弱であります。ところが、社会保障給付費の公費負担が40兆円あり、国と地方の公務員人件費は30兆円であります。これを合わせると70兆円になります。差し引きしたら使えるお金はわずか10兆円も残っておりません。
 こんな状態で、10年先を見据えて復興庁と復興特区を作っても、このままでは、早晩財政が破綻し、復旧・復興が絵に描いた餅で終わってしまうのでは、と心配しております。
 それなのに国会はねじれ、政権与党である民主党の中は不協和音が止まず、党の意思統一もされておらず右往左往。会期延長や臨時国会を開いても、いたずらに時間を浪費するばかり。全くの無駄足で国益に反しております。このままでは日本の国は沈んでしまいます。
 野田内閣が発足した時、支持率は60%を超えておりました。国民は、カール・ブッセの「山の彼方の空遠く、幸い住むと人の言う。」という詩のように、遠い彼方から現れた新内閣が、今度こそ幸せをもたらしてくれると願ったことでありましょう。ところがこの頃の支持率は40%以下に下がっております。このことは総理の指導力の不足と党内の不一致が一因と思います。

 今回の「復興庁設置法案」と、本日成立予定の「復興特区法案」は、復旧・復興を迅速に進める上での“車の両輪”であると思います。
 先日、復興特別委員会で復興特区法案についての質問をいたしましたが、「日が暮れる法案」であると評しました。いわゆる上から目線、各省庁の縄張り等が見え隠れするためであります。物事が遅々として進まないのではないかと懸念しております。
 本日、この本会議で「復興庁設置法案」についての質問をいたしますが、必要なのはパラダイムシフトであります。中央集権型の制度から、自治体に『財源』『権限』『人材』を大胆に移譲していくことが必要であります。以下、このそれぞれについて、野田総理・安住財務大臣・平野復興担当大臣に質問をしていきたいと思います。
 ちなみに、今年は「想定外」という言葉がところどころで使われました。これは、行政・学界・政治の逃げ口上です。しかし本日の答弁では、是非、役人答弁の「想定外」である、一歩踏み込んだ答弁をお聞きしたいと思います。

 まず、『財源』についてお聞きします。
 この臨時国会の会期はあさっての9日までであります。復旧・復興予算の財源確保のために、国家公務員給与の7.8%削減、郵政株式の売却のための法案はあきらめてしまったのですか? 賛成の見通しがないからといって、法案審議すら行わない馴れ合い体質はいかがなものでしょうか?
 私は、会期を延長してでも決めるべきだと思います。是非、野田総理のお考えをお聞かせください。 
 衆議院での法案修正により、各省庁の予算要求・配分権限が復興庁に移管され、一元化されることとなりました。これは評価できると思っております。
この修正を受けて、まず、復興庁は、どういう形で予算要求を行い、予算配分を行うのでしょうか? 平野大臣のお考えをお聞かせください。
 また、財務省は、復興庁からの予算要求に対して、どういう形で予算査定を行うのでしょうか? 安住財務大臣のお考えをお聞かせください。
 財務省主計局で予算査定を行う者が260人いると聞いております。果たして迅速かつきめ細やかな査定ができるのだろうかと疑問に思っております。私は、復興庁に予算査定権限も与えてしまえば、より現場に沿った、迅速な復旧・復興予算が実現できるのではないかと考えております。この点についても、安住大臣のお考えをお聞かせください。

 次に、『権限』についてお聞きします。
 私は、被災自治体に対して条例による上書き権を認めるべきだと考えております。そのことが、迅速な復旧・復興につながると思います。
しかし、復興特区法案では、地方の発意による規制の特例措置が実現されるまでに、複雑な手続きが必要となり、日が暮れてしまいます。
 被災自治体に対して、条例による上書き権を認めることについて、総理大臣として、どのようにお考えになるか、野田総理のお考えをお聞かせください。

 次に、『人材』についてお聞きします。
 副大臣・政務官の一部を専任とし、「被災地」に常時いるようにすることは、陣頭指揮を取り、被災地を勇気づける上で必要であると考えております。
 これに加えて、被災地にある地方出先機関、具体的には、東北財務局、都道府県労働局、東北農政局、東北経済産業局、東北地方整備局、東北運輸局などを、復興庁に結集して復旧・復興にあたらせるべきではないでしょうか? さらに、ゆくゆくはこれを地方へと移管していくべきではないでしょうか? この点について、野田総理のお考えをお聞かせください。

 最後に、財源、権限、人材を委譲した後の姿についてお聞きします。
 平成7年の合併特例法は、約3,000あった基礎自治体が約1,700までになりました。また、三位一体改革は、国へ依存するという地方の考え方を改めさせるきっかけにはなりました。しかし、いずれも道半ばであります。
 民主党政権になり、地域主権改革は一丁目一番地とおっしゃっていました。
 今回の復興庁の設置、復興特区の導入を通じて、いわゆる『地域主権型道州制』の実現に向けたきっかけづくりにできないでしょうか? この点について、野田総理の踏み込んだお考えをお聞かせください。

 かつて、林芙美子は「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」と詠みました。日本の国がおかれている状況を思えば、確かに苦しいことばかりであります。しかし、だからと言って、花の命のように はかない野田内閣では、また国民の政治不信を招きます。
 ドングリころころ ドンブリコ お池にはまってさぁ大変。今この国は、池にはまったドングリであります。 野田総理はドングリの期待にこたえるドジョウであって欲しいと思います。山の彼方の空遠く、ドジョウが出てきて今日は、と言うだけではダメなんです。

 野田総理が今成すべきことは、政治生命をかけて、自らの考えで決断し、この国を前へと進めることであります。苦しさに耐えて、逃げずに決断をすることが、その人自身に勇気と力を与えてくれます。トップに立った者が背負う十字架であります。保身に走らず、国家の再生に向かって行動してください。
 また、国会は国民に対して責任があります。この国難に際し、良識の府である参議院がなすべきことは、党利党略を超えて、互いに力を合わせ前進することであります。それが日本の国の発展につながっていくと自分は信じております。
以上をもちまして、私の質問とさせていただきます。

《本文終わり》


タグ:本会議

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